Skip to content

12. マスクをアメリカで販売したい

今回からは、弊社に最近多く寄せられるお問い合わせを不定期にピックアップします。
新型コロナウィルス(COVID-19)関連の中でも、マスクについてとても多く寄せられますのでご紹介したいと思います。他にもご不明な点等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。

◇  医療用マスクはまず510(k)を取得してからFDA申請
マスクは一般的に、医療用マスク(サージカルマスク)とそれ以外のマスクに分類されます。
アメリカはFDAにおいて「ClassII(中程度)のメディカルデバイス」と位置づけられているため、医療用マスク(サージカルマスク)の販売は大変厳しい規制があります。なおかつ、ほとんどの医療用マスク(サージカルマスク)において510(k)といわれる市販前通知が義務付けられているため、FDA認証を取る前に、まずはこの510(k)を取得することが必要となります。

◇  N95マスクはNIOSH規格
同じくN95マスクというのもありますが、こちらは米国労働安全衛生研究所(NIOSH/ナイオッシュ)のN95規格に適合し、認可された微粒子用のマスク(防じんマスク)を指します。医療用マスク(サージカルマスク)と同じく医療機関での使用や、粉じんやPM2.5などが多い場所などにも利用されますが、規格が異なります。
N95マスクを医療用マスク(サージカルマスク)として使用するときは、防じんマスクとしてのNIOSHの検定合格証を有していても、改めてFDAにN95サージカルマスクとして登録しなければいけません(その場合は、改めて性能試験データを添付する必要はありません)。ちなみに日本では厚生労働省が定めた「DS2」という規格がN95に相当する基準として認められています。
なお、FDA が指定する性能試験の検査方法については、世界最大規模の標準化団体であるASTM(米国試験材料協会)にて規定されています。このように、マスクだけでもさまざまな規格が存在し、それぞれ一定水準以上の品質が細かく規定されていることがお分かりいただけることでしょう。

◇  新しいマスクの基準「QKR」
ちなみにFDAでは、マスクについて下記の8つのプロダクトコードが出されています。

#Code主な品目
1NZJ公衆衛生医療緊急事態で一般市民が使用するための人工呼吸器、N95
2ONT抗菌剤 / 抗ウイルス剤を備えたN95マスク
3ORW公衆衛生医療緊急事態で一般市民が使用するための抗菌剤 / 抗ウイルス剤を備えたN95マスク
4MSH人工呼吸器、外科用
5OUK抗菌剤 / 抗ウイルス剤を備えたサージカルマスク
6FXXマスク、外科
7OXZ小児 / 子どものフェイスマスク
8QKRIIEガイダンス(=Immediately in Effect Guidance / 即効性のあるガイダンス)ごとの一般公衆 / 医療従事者用のフェイスマスク(N95人工呼吸器を除く)

FDAはアメリカ国内のマスク不足に対応するために認証基準を大幅に緩和し、輸入しやすくした新たなマスクの基準を発表しています。
特に「QKR」に該当するマスクは所定の基準を満たしていれば、510(k)の市販前通知もNIOSH承認も不要、そして原則的にはFDA認証も不要となります。
お客さまがアメリカで販売したいマスクがどのカテゴリに属するのかわからない場合は、まずはこの「QKR」の基準をしっかりと満たすことを検討されてはいかがでしょうか。
参考:FDAのコメント(英文) https://www.fda.gov/media/136449/download

【最初に検討する項目】

医療用マスク(サージカルマスク) or それ以外のマスク
510(k)やNIOSHの通知・承認が必要か or すでに通知・承認済みか or いずれも不要か など

必要な項目によって期間も費用も変わってきますので、まずはしっかりと方向性を定めることが大切です。
弊社では「QKR」のマスクとして認定されるためのサポートも承っております。またSKYPEなどを使った相談会も行っておりますので、まずはお気軽にご相談ください。

当Webサイトの内容、テキストの無断転載・無断使用を固く禁じます。
All rights reserved. Unauthorized duplication is a violation of applicable laws.