FDAを模索している方へ

「FDAとは?」「FDAのメリット・デメリットを知りたい」「導入したいがノウハウがない」とお悩みの方必見! 主に化粧品にフォーカスして、海外での販売ステップを分かりやすくコラム形式にまとめました。

記事につきましてのご質問・その他ご不明な点がありましたらお問い合わせください。

4. 化粧品とはなにか

2020/5/22 カテゴリー:化粧品、FDA

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そもそも化粧品とはなんでしょうか。
日本の法律、薬機法では、化粧品を次のように定義しています。

「人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つために、身体に塗擦、散布その他それに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なものをいう。」
(医薬品、医薬機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律、第2条3)

実はFDAが定める化粧品の定義も、これとよく似ています。

「人の体に塗る, 馴染ませる, スプレーする等により, 体をきれいに美しくし, 魅力を高め, または外見を変えるためのものであること」としています。
FDA defines a cosmetic as a product (excluding pure soap) intended to be applied to the human body for cleansing, beautifying, promoting attractiveness, or altering the appearance.
https://www.fda.gov/industry/regulated-products/cosmetics-overview

製品評価技術基盤機構は、化粧品を次の6種類に分類しています。

  1. スキンケア化粧品(洗顔料、メーク落とし、化粧水、美容液、乳液、美白、日焼け止めなど)
  2. メークアップ化粧品(口紅、アイシャドウ、頬紅など)
  3. ヘアケア化粧品(シャンプー、リンス、トリートメント、整髪料、パーマ剤、染色・脱色、育毛製品など)
  4. ボディケア化粧品(ボディシャンプー、ハンドソープ、デオドラント製品、入浴剤など)
  5. 歯磨き剤
  6. フレグランス化粧品(香水、オーデコロンなど)

入浴剤や歯磨き剤も化粧品に含まれていますが、これらの製品をアメリカで販売するためにはFDAのルールに従わなければいけません。

ところでFDAの化粧品に関する規制で、製品の一番目立つ面(Principal Display Panel、PDPといいます)の表示方法についてのこんなルールがあります。

「2つ以上の成分を含む化粧品のラベルに表記する製品名には、消費者が誤解しないように、すべての成分ではなく1つ以上の名前だけを名前にしたり、または思わせるような名前を表示したりしてはいけない。」

日本では、「はちみつ」や「へちま」、「はとむぎ」など、成分名を冠した製品があふれていますが、それ以外の成分が入っている場合にはNGとなります。この点などは日本のルールと少し違いますよね。これ以外にも内容量の単位や字の大きさなどにも細かな規定があります。FDAの管轄が宣伝広告にまで及んでいることが、このことからもわかります。ラベル表記に関しては、ぜひ専門機関でのアドバイスを受けることをお勧めします。

もうひとつ注意しなければいけないのが、OTC医薬品の件です。アメリカでもOTC Drugといわれます。OTCとはOver The Counterの略で、カウンター越しで販売してよい薬のことです。かつては大衆薬とか市販薬といわれていましたが、今はOTC医薬品という名前に統一されています。化粧品の中には、その成分や用法、効果によってOTC医薬品とみなされるものがあり、FDAに関しては化粧品とは全く違う手続きとなります。

次回はそのOTC医薬品についてわかりやすくお話しします。


3. FDAについて

2020/5/15 カテゴリー:アメリカ、FDA

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アメリカの化粧品マーケットに乗り込むのであれば、まずFDAのことを知っておく必要があります。FDAという名前はなんとなく聞いたことがあるかとは思います。日本でいえば、薬事法、現在の薬機法(正式には「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」といいます)に近いイメージをお持ちの方も多いでしょう。

FDAとは、アメリカ合衆国保健福祉省配下の政府機関で、アメリカ食品医薬品局(FDA, Food and Drug Administration)のことを指します。連邦食品・医薬品・化粧品法を根拠として、食品、薬品や化粧品に関する法律の施行に携わる政府機関として、アメリカで販売される食品、飲料、化粧品、医療機器、薬品、放射線機器、獣医動物関係製品を管轄しています。FDAはそれらの製品のアメリカ国内での流通における「ルールの策定」と「監視と取り締り」を行っている機関と言い換えることもできます。輸入のルールではなく、流通に関するルール、というところがポイントです。流通に関するルール、ということはつまり、アメリカ国内の市場で食品や化粧品を売るためのルールということです。

アメリカに住む個人が、日本のショッピングサイトで購入した化粧品をEMSか何かでアメリカに送るのであれば、FDAは出てきません。それは日本のマーケットの話だからです。(明らかに個人ユースを超える量で、アメリカに到着後に再販される、つまり流通に乗せられる恐れがあると思われる場合は、FDAが乗り出してきます。)

それでは、アメリカのECサイト、例えばAmazon.comで化粧品を購入し、日本の在庫からアメリカの個人宛に送るという場合はどうでしょうか。この場合は、アメリカの流通で販売しているので、FDAの管轄となり、彼らの定めたルールに従わなければなりません。FDAがアメリカ国内の流通を管理しているというのはそういう意味です。

しかしFDAというとどうしても輸入通関の時にでてきそうな感じがします。そのとおりです。FDAのルールに違反していないかどうかの確認がされる最初の関門は税関です。

日本の税関を例にとりましょう。外国貨物を日本に輸入する際、税関は関税法という法律に従ってその貨物の輸入を判断します。しかし、関税法だけで輸入の許可を出すわけではありません。日本に輸入される外国貨物には、輸出貿易管理令や薬機法、ワシントン条約といったたくさんの法律や条約がたくさんあるので、税関はそういった関連するすべての法律や規定で許可されているか、承認されているかを確認したうえで輸入の判断を下します。

アメリカの税関も日本と同じで関税法にのっとり輸入の審査を行います。それとは別に、例えば食品や化粧品であれば、FDAの定めた法律である食品安全強化法やバイオテロ法といった法律を参照します。そこでFDAのルールに準拠していることが証明されなければ、税関は許可を出さず、その製品は税関に留め置かれることになります。

次回はFDAのルールにもう少し踏み込んでみることにしましょう。


2. どの国を狙いますか?

2020/5/8 カテゴリー:アメリカ、FDA

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化粧品の市場規模はざっと35兆円です。ワインの市場規模の10倍、ビール市場の6掛けといったところでしょうか。とにかく女性の美に対する想いはすさまじいものがあります。 その中で、最大の市場はアジア・太平洋エリアです。このエリアには25を超える国があり、40億人が住むといわれていますが、そこでは年間13兆円もの化粧品が消費されているそうです。そのため、化粧品の輸出を考えたとき、多くのひとがまず思い浮かべるのがアジアです。日本にも近く、民族的にも日本に近いアジアを狙いたくなるのが人情というもの。13兆円というアジアは確かに魅力的な市場です。日本製品が大好きな中国や超親日派として知られている台湾などもあり、検討の価値は十分あります。

化粧品の市場規模で、アジアに次ぐ2番目の消費国はアメリカです。アジアの10分の1の人口ですが、世界で生産される化粧品の25%、約10兆円の化粧品を消費しているそうです。当然、輸入量も世界一。住んでいる人も白人、黒人ヒスパニックにアジア人まで世界中の民族が全員集合していることもあって、あらゆるタイプの化粧品が売られています。 それではヨーロッパはどうでしょうか。化粧品の生産量と輸出量が最も大きいのは、実はヨーロッパです。世界の化粧品の輸出量の50%は欧州から輸出だと言われています。

それではどこをターゲットにすればいいのか。

13兆円というアジアは確かに魅力的な市場です。日本製品が大好きな中国や香港があり、すぐお隣の台湾も超親日派として知られているので面白い市場ですが、アジア全体で考えると25以上の国があり、中には化粧品の輸入に厳しく対応している国も少なくないので、エリアで考えると輸出初心者にはちょっと手ごわい市場といえるかもしれません。化粧品の場合、輸入通関の際にその国独自のさまざまな法規制をクリアする必要があります。規制以外にも、言語や習慣、人種、気候、宗教にも配慮しなければいけません。国を欲張ると準備にとても時間がかかるため、国を絞るということ、そしてどこの国を選ぶかということは大事なキーワードです。

そういう観点から、私はアメリカからスタートすることをお勧めしています。理由はいろいろありますが、例えば、

  • 規制がFDAだけでわかりやすい。配送方法も郵便、クーリエ、航空貨物・海上貨物などが選べる
  • 多くの民族が暮らしており、アジア人もたくさん住んでいるが、英語だけで十分
  • Amazonを活用すれば、初期コストを抑えて販路を確保できる。FBAを活用すれば配送もCSも手離れする
というように「物流」「コミュニケーション」「ターゲット」「販路開拓」といった面で大きなハザードがないことも、お勧めする理由です。

アメリカは、皆様の狙っているゴールではないかもしれません。本命はあくまでアジアと思っている方も多いでしょう。だからこそ、まずアメリカからスタートして、アメリカの中のアジアンマーケットに訴求したのち、いろいろわかったうえで本命の中国や香港、台湾に切り込んでみる、そんな視点も面白いと思います。


1. 化粧品の輸出をはじめたい!

2020/5/1 カテゴリー:化粧品、FDA

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30年ほど前、はじめてニューヨークに出張したときに、マンハッタンのブルックス・ブラザーズの本店に行って紺ブレを買いました。オックスフォードのボタンダウンのシャツに左下がりのレジメンタルのネクタイも合わせてもらって、確か1000ドルぐらい払ったと思います。本当に欲しかった正統派のアイビールック。表参道のブルックス本店でもなかなか買うことのできない、本物の3つボタンの紺ブレは、VAN世代の私にとって最高の逸品です。ホテルに戻った後、お店でもらったロゴ入りの木のハンガーにシャツとネクタイを合わせて吊って一人で悦に入ったものでした。

さて、化粧品の話。
世界のコスメティクス・トレンドは、ここ1年でK-ビューティ(韓国コスメ)からJ-ビューティ(日本コスメ)へとシフトし、日本の化粧品への関心が世界中で急激に高まってきています。特に品質や成分に敏感なアメリカの女性たちはこぞって日本のコスメ情報を集めているようです。ところがせっかくよさげなコスメを見つけても正規に海外に進出しているメーカーはまだまだ少なく、簡単には手に入りません。観光やビジネスで日本に出張したときに空港で買うぐらいしか手がないようです。確かに、成田空港の免税品店では、コスメの売り場で女性たちが血眼になって商品をさがしている姿をよく見ますが、そこでもお目当ての化粧品がなかなか見つからないようです。

さてそんな中、
    ″うちもそろそろ海外に展開したい!″
    ″でも何から始めればいいのかな″
    ″FDAって何″
そう考えているなかなか動けていない化粧品メーカーの方も多いと思います。ポストコロナや2020年のホリデーシーズンを見据えて、そろそろ準備をはじめてみてはいかがでしょうか。

このコラムでは、化粧品を海外、特にアメリカに売っていくためのイロハを、手順を追いながらご説明します。FDAのこと、Amazonのこと、輸出の方法や関税の仕組み、コスメの世界の英語などについて、書いていこうと思います。


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