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8. PDP(Principal Display Panel)とは

前回のコラムで「化粧品のラベルでは、PDP(Principal Display Panel)と呼ばれる最も目に付くラベル面に関する規制がたくさんあるという話をしました。今回は、ラベル評価で一番初めに突っ込みが入る、そのPDPについて注意するべき点をお話ししたいと思います。

まずPDPについておさらいをしておきます。連邦規則21 CFR 701.10では、PDPを次のように規定しています。

The term principal display panel as it applies to cosmetics in package form and as used in this part, means the part of a label that is most likely to be displayed, presented, shown, or examined under customary conditions of display for retail sale.

簡単に言うと、PDPとは、商品をお店に並べたときに、お客様が最も目にするパッケージ面ということです。ちなみに化粧品のパッケージには四角い箱や円筒形などさまざまな形がありますので、おのおののPDPについてさらに細かな規定があります。

そのPDPに表示しなければいけない項目としては、主に3つあります。1つめが「Statement of Identity」、2つめが「Safety Warning Statement」、そして3つめが「Net Quantity of Contents Statement」です。

1. Statement of Identity

これはその商品がなんであるかがわかる表記のことです。連邦規則21 CFR 701.11では、このように書かれています。

  1. 一般名称
  2. 商品名
  3. ロゴやイラスト

実際のラベル評価で最も指摘が入り、お客様が困惑されるのはこの部分です。
例えば日本でのラベルにかかれている一般名称が「トリートメント」だとします。日本では何の問題もありませんが、米国では「トリートメント」ではなく、「コンディショナー」という名称が一般的です。したがって、この製品を米国で販売するためにはラベル上の表記を「コンディショナー」に変更しなければいけません。このように日米間の文化の違いもあり、当たり前だと思っていた名称を変更しなければいけないことがよくあります。
また成分そのものを商品名としている場合も注意が必要です。例えば女性に人気の「炭酸パック」。商品名も炭酸パックとあるので、英語名を「Co2 MASK」と書きたいところですが、これはNGとなります。FDAのルールでは、複数の成分で構成されている製品であるにも関わらず、1つの成分だけを商品名として書くことを禁じています。

2. Safety Warning Statement

安全性に関する注意書きという意味です。その製品の成分や安全性がすでに十分に立証されている場合には不要ですが、販売前に安全性が十分に立証されていないような成分または製品の場合、下記の文言を太字でPDPに書かなければなりません。(連邦規則21 CFR 740.10)

Warning – The safety of this product has not been determined.

3. Net Quantity of Contents Statement

表示のための単位や位置、端数の処理や付属物についての記載ルールを細かく規定しています。(連邦規則21 CFR 701.13)例えば単位についてはポンドもしくはオンスで表示しなければなりません。日本の感覚では少しピンと来ないこともあります。

化粧品のラベル評価、なかなか手ごわいですよね。FDAのルールに従って修正すると、どうしても元のデザインから大きく外れてしまうこともあり、パッケージしたデザイナーにとってはちょっと残念な気持ちになってしまうこともあります。そこで、私たちは、修正したラベルを納品後、1か月以内であれば、メーカーが再度デザインし直したラベルを無償で再評価しています。パッケージやラベルは化粧品のセールスにインパクトを与える大事な要素ですので、そういったサービスをご提供しています。

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